バカ高に転入

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「この点数はなあに?」 「ん~…。なんでしょうねえ」 「ごまかすんじゃありません」 「これでも頑張ったほうなんだけど~…」 「へえ~これで?」 昔、ぱぱが言ってた。 ぱぱがままと付き合っていた頃、夜遅くまで仕事して帰ってきたぱぱに手料理を作って待っててくれたり、弁当はいつも愛妻だったり…でもそんなままがぱぱと結婚してから性格ががらりと変わっちゃったらしい。 毎日作っていた弁当も今はぱぱが自分で作っている。 そして手料理もなくなった。 それからままの口調も大幅に変わった。 だから最近のままは雷が落ちてくる。 「ごめんなさ~い…」 「まあ、いいわ」 ってたまに優しいままに戻ってくれる。 そしてテストの点数が最悪だったことをぱぱにチクられた(笑) それで現在に至る。 「ままから聞いた後、学校に電話してな先生に転校届けを出したいと言ったらあっさりとオーケーしてくれたんだ。それで転校届けを出してきた」 って言われても…。 それはあたしのせいじゃない…ってあたしのせいか(笑) でも仕方なくない? これでも頑張ったんだよ? だからさあ~あんまそう言うなよ。 「いつ、行けばいいの?」 「明日だ」 「みんなに一言言ってない」 「仕方ないじゃないか。そうなったのは自分のせいだろう」 それはそうだけど~。 しょうがないじゃん。 あんたに似たんだよきっと。 あれから30分口論した結果…結局あたしは有明高校に転入することになった。 ぱぱの話によれば有明高校とは唯一のバカ高で手がつけないほどの優等生がいるとかいないとか。 そんな高校に半ば強制的に転入させられることになったのだが…。 「ここどこー?」 いざ来てみるとドーンとでっかい校門と丁寧に作業された芝生たちがあるだけ。 あたし完璧迷ったよね? いや、こんな学校じゃ誰だって迷子になるんだって。 そんなこんなであたしは試行錯誤で教室までの道を探し続けた。
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