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「あっはっはっは☆」
「神沢、お前サイコー」
かれこれ30分…。
教室中は未だ笑いの渦で溢れていた。
それからあたしはみんな先生も含め自己紹介というのを説明してもらった。
みんなの話によれば自分のことを簡単に紹介することが自己紹介というらしい。
自己紹介って遠回しに言ってるよね。
だって自分のことを簡単に紹介するんでしょう?
だったら自分紹介のほうがわかりやすいよね。
「…わかったか?」
「うん。でも、何か納得できない」
「何が?」
「どうして自分紹介じゃなくて自己紹介なの?」
このあたしの一言でみんなの声が消えた。
「水沢?」
「……」
水沢に声をかけたが無反応。
何か言えよ。
「先生!!どうして自己紹介なの?」
「……ん?」
先生は曖昧な返事だった。
みんなが口を開かない為あたしは余計になぜ自己紹介なのか気になった。
そして昼休みあたしは水沢と一緒に図書室を訪れた。
その辺の辞書を引っ張りだし近くの椅子に座り辞書を広げる。
自己…自己…。
「あった。自己紹介とは初対面の人に対して、自分で自分の姓名、経歴、職業などを紹介すること。って…全然、意味なんて載ってないじゃん!!」
あたしはキレ気味で辞書に当たる。自己紹介を探し続けて40分…。
結局、見つからなかった。
でもここまできて諦められるわけがない。
授業が終わるのを確認するとあたしは大急ぎで家まで走った。
ままに聞いても曖昧な返事だし、ぱぱは辞書を引いて説明してたけど全く説明になっていない。
仕方なく本屋さんで調べることにした。
自己紹介という四字だけであたしはなんでこんなに必死なんだろう。
それはおそらくあたしが相当なおバカさんだからだろうね。
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