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「本当に行くんですか?」
俺の前に立つ長い艶やかな黒髪の女性は俺に問う。
「うん、イオナさんが反対しても俺は行くよ」
イオナさんは俺に向けて少し寂しげな顔を見せた。
「ルイ、『俺は』じゃ僕が入ってないよ」
俺の言葉に横やりを入れてくる真横にいる男。
俺より頭一つ分ちっちゃいから、視界に入らなくてついつい忘れてしまう。
「イオナさん、俺たちの意志は堅いよ」
イオナさんは観念したように小さくため息を吐く。
「いつかはこんな日が来るとはわかってたんですけどね。あなた達が密かに荷造りしてたのも気付いてましたよ」
かなり極秘で進めていたのに、まさかイオナさんにバレてるとは。
イオナさんは窓際まで移動し、その窓を開け外の空気を取り入れた。
のどかな青空を鳥が飛んでゆく。
「いつ発つ予定なのですか?」
「今日からでも行こうかなって」
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