紅の姫君

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サラは、次々と明かされる事実に、面食らうばかりだった。 もしかするとラズロの狙いは こうして、意外な考えを次々と突きつけることによって サラの冷静な判断力を奪い、信用させ、罠にかけることかもしれない。 「……信用……できるものか。 そんなこと、夢物語だ。 それで私が協力とやらを素直にすると思うのか!?」 サラは言った。 「そう言われることも、計算済だ。 だからこうして、お前と結婚する必要があったのさ。 同じ空間に居て、時間をかければきっと、わかってもらえると思ったからな。 俺は、白組の味方でも、赤組の味方でもない。 お前は "俺の味方"になってくれれば、それでいいんだ」 そう言うと、ラズロは彼女に向かって歩みを進めた。 一歩、二歩。 二人の距離が、近くなる。 ……サラは、また胸が騒ぐのを感じた。 さっき、ラズロに手を握られた時と同じ、感情の波。 (落ち着け……。 どうしたというのだ、私は……)
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