紅の姫君

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「作戦だと…… 計画だと…… そんなこと、私の知った事ではない……。 私が。 ルートが、レオンが。 どんな思いで、今回の話を納得したと思っているんだ! 真剣に考えて、苦しんで。 私は、赤組の皆の気持ちを背負って、ここに来たんだ!」 サラはまくしたてた。 すると、部屋の扉が激しく叩かれはじめた。 「ルート? おいルート! 何かあったのか。大丈夫か!? 開けろ、ルート!」 レオンだった。 大きな声を出したので、隣に聞こえてしまったらしい。 ラズロが歩いて行き、扉を開いた。 「お前、ラズロっ……。 サラに何をした?おい!!」 相手がラズロだったので、レオンは一瞬にして "ルート"から"サラ"に呼び方を戻した。 壁際で固まっている彼女を見て、ラズロが何かをしたのだと疑い、かみつくように問い詰めた。
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