第1章

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ひらり、とひとつ淡い桜の花弁も ひとつ・ふたつと絶え間なく舞う桜は、見上げた空を桃色で埋める。 栗色の髪を結い上げた少女が、舞ってきた桜へと手を伸ばし――、 ―――ズルッ 「ッうわぁっ!」 「はっ!?」 咄嗟に横に居た少年が腕を掴む。 「さ、くっ…!おまっ何やってんだよ!?」 「いたた…。」 朔と呼ばれた少女は思いきり打った尻を擦りながら体を起こす。 「だって…ほら、桜」 開いた手の平には一枚の花弁。 得意気にそれを見せてくる少女に、少年は呆れた様子で顔をひきつらせた。 「お前な…!時と場合、…というか!場所を考えろよ!」 .
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