第二章

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ミロクはハルナを呼んだが、ハルナに怒鳴られてしまった。理由はもちろん、『女』と呼んだからだ。 「……ハルナ、<ニードルレイン>は使えるか?」 ミロクは訂正し、尋ねる。<ニードルレイン>は、棘状の雨を降らす、水属性の魔術である。 「もちろん使えるわよ」 「なら、僕とガイで時間を稼ぐから、その間に詠唱してくれ」 「分かったわ。――……」 「よし……ガイ!」 「おう!」 ハルナは言葉を紡ぎ始める。ガイとミロクは、ハルナを挟む様に立つ。 騎士団にいるときに習った、詠唱者防衛フォーメーションである。 迫って来るスライムからハルナを護ること数秒後、ハルナの詠唱が終わった。 「――水神の象徴、水よ!すべてを突き刺す雨となりて、降り注げ!<ニードルレイン>!!」
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