第二章

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「ふざけんな!風呂に入れなくて嫌なのはこっちも同じなんだよ!貴様一人じゃないんだ!それぐらい分かれ!」 「え、ちょっ、なんでそんなに怒ってんの……?」 「ハルナ、今のはお前が悪い」 いきなりキレた事に戸惑いを感じているハルナに、ガイがため息混じりに言った。 ハルナがさっきミロクに向かって言った、言ってはいけないキーワード。それは、『風呂に入れない』である。 ミロクは潔癖症なのである。それも、毎日家を掃除し、玄関にも廊下にも塵一つ残さず、皿も汚れをすべて落とさなければ気が済まない、重度の潔癖症だ。 そんな彼が、二日も風呂に入らないで平気なはずがない。 しかし、今は旅の最中ということを考え、今のいままで我慢してきたのだ。 だが、今のハルナの一言でついにその我慢が限界に達してしまったのだった。
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