第二章

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「「……ちっ」」 ハルナとミロクは舌打ちしつつも再び歩きだす。 そして、森を出ようとしたが出られなかった。いや、正確にいうと出してくれなかった。 なぜなら、突如空から降りてきた、巨大な魔物(モンスター)に出口を遮られたからだ。 その魔物は頭に三角形の耳があり、尻にはしなやかな尻尾があった。その姿はまるで…… 「……猫?」 猫だった。ただ、猫はガイ十人分の大きさにはならないし、背中にまがまがしい翼を生やしたりもしない。そして極めつけは…… 「グォォォ!!」 この鳴き声だろう。猫の鳴き声は普通「にゃー」か「にゃあ」だ。こんな雄叫びはあげない。 「なんか……かわいい」 「なあミロク、あれってもしかして……」 「間違いない……」 ハルナがその見た目に浮かれている中、ガイとミロクは冷や汗を流していた。 「あれは……ドラゴンキャット!」
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