暗闇の化身

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晩秋の…午後8時 待ち合わせ場所に着いた恵子(46才)に。 宗方(48才)からメールが届いた。 メールには… (あと1分で到着します…黒の乗用車です…後部座席に乗って下さい…約束は守って下さいね) 恵子がメールを読み終わると…直ぐ 目の前に黒の乗用車が停まった。 ガラス越しにチラッと見た、宗方の横顔は… 事前に貰った横顔写メと同じだったので… 安堵して後部座席に乗り込みながら… 恵子『今晩は…初めまして』 宗方は… 『今晩は』 『行きますよ』 余りにも味気ない挨拶だったので… つい… 『本当に来てしまうとは思わなかった』 『マインドコントロールかしら…?』 喋ってしまった。 『話をしない約束ですよ』 冷たく言い放つような宗方の言葉に。 恵子は… (やはり、筋書通りになるんだわ) 期待と緊張と… 僅かな不安… 雑多な思いが交錯し… 高鳴る胸に… 手を充てながら… 難しい女…恵子から 脱却する為には… 宗方が発案した… この出会い方法。 それに乗ってみようと腹をくくり… 今…まさに奇妙な出会いのプロローグを迎えたのだった。
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