暗闇の化身

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今まで誰しも経験した事がないような出会いに発展するのだった。 …………… 晩秋…午後8時 出会いの日…その後 恵子を乗せた黒の乗用車は… さいたま市郊外のコテージ風ラブホテルの個室に到着した。 宗方は恵子に振り向かず… 『先に降りて、僕を絶対に見ないよう後を向いてドアの外で待ってて下さい』 そう言い残し、一人で室内に入り。 バス、トイレ、ベットの位置を確認してからエアコンのスウィッチを入れ。 ベットルームの照明だけを… 目が慣れてきたら微かに自分達の姿が見える程度に調整し。 暗闇の中… 足元に注意しながら入口に戻り。 ドアを少し開け… 後向きの恵子に… 『どうぞ』 一声かけてドアに背を向けた。 『暗いゎ…!』 一瞬…たじろいだ様子の恵子に… 『大丈夫』 そう言って、後手に恵子の腕を取り。 暗闇の中… 一歩一歩… ベットルームに足を進めた。 …………… 暗闇と静寂の中… ベットの縁に並んで腰を下ろす… 男と女…。 張り詰めた緊張感… 高鳴る胸の鼓動… 宗方の両手に包み込まれた、恵子の掌(テノヒラ)は既に潤いの様相を呈していた。
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