┣0┫偽りのエピローグ

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 血に染まった私の戦闘服、胸部にあったプレートは剥がれ落ち、アンダーの灰色のタイツが見え隠れしている。  無線機も壊れており、わたしはそれを左手で握ると投げ捨てた。  そして、左目に付けていた白い医療用の眼帯を取って、それを腰のポケットにしまった。血の臭いが染み付いて、それが不愉快だったからだ。  想えば、長い戦いだった。どのぐらい死んだのだろうか?  生き残った人間の数は、二桁もいないだろう。  ずっと戦い続けていた。  迫り来る怪物を、私たちはひさすら殺し続けた。
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