二作目

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『お前のものは俺のもの。 俺のものは俺のもの。 だから。 お前の悩みも俺のもの。』 って言ってる奴を見た。 多分パソコンか何かからか引っ張ってきた言葉だろう。 安い安い口説き文句だ。 俺にはそんなことを思える女は居ない。 彼女居ない歴=年齢なこの俺だ。 俺の人生に雪解けなんかこない。 だが、しかし。 俺にも初恋っつうものはある。 不覚にも彼氏がいる女だったが俺の最高の親友だった。 22歳の誕生日。 基本的に独りの俺を祝うやつなんて居ないと思っていた。 けどそれは違った。 俺の一番の親友。 あの女が祝いに来てくれた。 「きっとあんたは一人だろうと思ってね(笑)」って綺麗な笑顔で。 最高の思い出になった。 「丁度二ヶ月前あいつと別れたんだ…」 ぽつりと呟く女。 「それを忘れたくてさ…今日はあんたを祝いながら盛大に飲みに来たよ(笑)」 きっとお前と俺は白い糸で結ばれてるんだろう。 俺はその糸を真っ赤に染め上げたい。 お前はこう思っているだろう。 私とあんたは永久に親友。 私とあんたは永久に交わることのない軸の上に立っている。 だけど俺は。 俺はその軸を1度でも2度でもお前の方に傾けよう。 「俺…昔からお前のことが好きだった。」 ずっと一緒に。 永久に共に。  
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