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あるところにボロきれで出来た猫がいました。
その猫の体はまるで作り損ねた人形のようでボロボロでつぎはらけ。
茶色に赤に黒に白。
そんなバラバラのパーツを無理やり繋ぎあわせたようなものでした。
そして、笑顔のかわいらしい女の子が猫の側にいました。
猫の飼い主です。
名前はナツミちゃん。
猫はナツミちゃんといつも一緒でした。
ナツミちゃんが悲しんでいるときはいつも猫が駆け寄って涙を舐めてあげ、
猫の体の糸がほどけそうになったらいつもナツミちゃんが繕ってあげました。
ボロきれでできたぬいぐるみの猫。
しかしその中には確かな「いのち」が宿っていたのでした。
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