プロローグ

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「よし、今日はここまでにしよう」 サイトの言葉で魔法を使うために張り詰めていた緊張の糸が切れたダグラスはその場に座り込んだ。 それも当然の事。 ダグラスはサイトが闇属性ではないために拘束魔法も禁忌魔法もサイトから聞いた言い伝えや詠唱、魔法の名前からどんなものか想像しながら練習するしかないからだ。(禁忌魔法の方は詠唱だけだが) 「俺が闇属性ならもっとスムーズに進んだんだろうがな」 「大丈夫だよ。思っていたより簡単だった」 しかしダグラスはそんな過酷な状況でもスイスイと特訓を進め、両方とも9割は会得したようなものだった。 ならば緊張していた理由は何か、それは魔法が想像以上に細かく緻密に出来ているのでそれを再現するのに並々ならぬ集中力を要したのだ。 「そうだなまさか1日で会得出来るとは思わなかった。これで明日からエルザと練習できるな」 「うん。待たせることにならなくてよかった」 ダグラスはエルザと一緒に魔法の練習をする約束を前からしていたのだが、今回は禁忌魔法を扱うということで流石にエルザと一緒にするわけにはいかなかったのだ。
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