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「よく頑張ってくれた。ありがとう」
「我が子のためよ?当然でしょ」
アリスはかけられた言葉に対して微笑みながらそう返した。
しかしすぐに顔を曇らせてこう言った。
「でも本当に大変なのはこれからよ。あの子達は魔力が多いからいろんな人に狙われるわ」
そう、生まれた二人は魔力量を計らなくても解るほど魔力が多い。
大人の平均値よりも生まれたてにして明らかに多かった。
「そうだな。四大貴族は良いとして、危ないのはその一歩手前の貴族達か……。」
そんな不安そうな呟きを漏らした後に顔を一転、明るくして、
「ま、ここには優秀なメイドや執事が沢山いるし、いざとなれば私もいる」
と言った。
「そうね。生まれたばかりでこんな暗い話ばかりしてもしょうがないもの」
この言葉で二人の雰囲気に影響されて暗い顔をしていた執事やメイド達も明るい顔になった。
「みんなに伝えてくれ。今日は残業と言う名のパーティーだ。後を継ぐものが生まれたことをみんなで祝おう」
その言葉で必要最低限の人数を残して、後は家中の執事、メイド達に今のことを伝えるべく部屋からでていった。
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