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どんなことでも一緒に越えてゆくことができると信じてかきます。
いつか、これをお母さんが読む日がきますようにと、願って綴ります。
拝啓
大好きなおかあさん。
おかあさんが病気になって、三年が経ちます。
余命二年と言われよく耐え抜いて生きてくれました。
去年、12月で限界だろう、
そう医師に告げられました。
おかあさんが居なくなってしまう現実があたしには重すぎて、あの三年前の日、中学校1年生。
覚悟はちゃんと
あの時にできていたはずなのに
涙がとまらなくて
心臓が潰されそうで
あたしの脆い覚悟は、跡形もなく崩れ落ちました。
なんであの時
命じゃなく思い出なんかを
あたしは、選んだんだと
たとえ今までの思い出が消えてしまっても
たとえあたしを忘れてしまってもおかあさんが苦しまないのならいいと、今なら思えるのに
なんであの時は、おかあさんの苦しみを想像できなかったんだろう
と、泣いて悔やみました。
もしあの時
もっとあたしが、命をとっていたら
きっと今頃は
昔のように笑えたんでしょうか?
ねえ、お母さん。
生きててくれてありがとう。
おかあさんは、あたしの
頑張る力と、生きる糧になってます。
弱いあたしはなんども、全てを投げ出そうとしました。
けど、生きてここに居るのは
おかあさんのお陰です。
おかあさんが生きててくれたからです。
おかあさん、今日からあたし
高校生になります。
入学式に行きたいと、泣いてくれたけど、あたしも入学式にきてほしかったです。
ありがとう、おかあさん。
強がったけどほんとは、泣きたいです。
手を繋いで入学式に行ったのは
小学校の入学式が最後です。
たった一回だけの思い出です。
今日も、頑張ります。
おかあさん行ってきます。
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