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「お姉ちゃんはどっかいって~」
4つ違いの姉は、あたしが友達と遊んでいるといつも混ざりたがった。
人に馴染みこむが上手な姉は、すぐに私より友達と馴染んで笑いあうから、羨ましくて、私は姉と一緒に遊ぶのが嫌いだった。
けど、とても優しかった。
触れたら崩れ落ちてしまうんじゃないかと思うくらい、弱くて、言いたいことを全部我慢して泣くような、子どもだった。
絵が上手で、習字も、字も、作文も、図画工作も。
私が苦手なもの全部を得意としていた、左利きの姉。
友達と遊ぶ以外では何をするにも一緒だった姉。
人間的には、だいすきだった。
でも色が黒くてイジメられていた。
「あたしが守ってあげる!」
息を切らし、泣いてる姉を目にして憤慨しながら私がいうと、いつも笑いながら姉は言うのだ。
「いいよ」
そう言って首を振る。
今も昔も、私は姉の考えていることが分からなくて、少しいじらしくて、少し苛立った。
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