隣人・礼央

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「大学生用の安アパートにそんなのついてるわけねぇだろ」 呆れ顔の真二郎は、ほんの少し怒り口調になっている。 「どんな音すんの?どんな?!はやとっ」 「話し声とか、笑い声とか、あと、物を置いてるような音とかだよ」 「なんだよ~。喘ぎ声じゃねぇの?」 「ああ、それは一番大きいよ」 「やっぱり!!」 晃は目を輝かせた。 「はやとお前そういうの、じっと聞いてるわけ?隣の部屋で。悶々とするだろー!!」 「晃ぁ~、おまえ馬鹿じゃねぇのか!みんなそこまでデカイ声張り上げてねえわ……たぶん」 真二郎は、 晃にも、 苦しい言い訳してる礼央にも呆れ返ったのか、何も言わない。 「俺は部屋にいるとすぐヘッドフォンしちゃうから、よくわかんないし悶々なんてしないよ。もういい?この話」 「へぇ……」
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