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一気すぎて、また何も言えず。
「お、いいよー。早速明日行こうか?俺もそろそろ髪切ろうと思ってたし。買い物も」
「いや、いいよ。そんなに金、ないし……」
真二郎は俯く俺をじっと見つめていた。
「大丈夫だよ。学割がきく、比較的良心的な美容院だし。服はショップじゃなくて古着屋で選ぼう。好きなんだ、俺古着屋めぐり。付き合ってくれよ?いい店教えるから」
「あ……ああそれなら……。俺も、いい加減髪は伸びすぎだと思っていたし……」
「よし、決まりだ」
実はこんな風にして、現在の藤谷隼斗が出来上がったのだということは、みんなも、俺自身も忘れかけている出来事ではあるが、
紛れも無い真実なのである。
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