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礼央の部屋に入ると、礼央の右隣りに小柄な子、左隣りに例の彼女が座っていた。
どっちだ……礼央の彼女は。右であってくれ、右の子であってくれ!
その、祈りにも似た俺の思いは、けんもほろろに砕け散った。
「隼斗、こちらミドリちゃん。で、こっちが詩織。俺の彼女」
やはり……。
左の子だったのか……。
礼央の隣で、困ったように笑う彼女が……。
しかし、先週の合コンで、もう彼女か……。
案外軽いのかもな。
残念だな。
その日、二人は夜の散歩に出かけた。
礼央が手を出さないはずがない。二人が戻ってくる前に、帰ろう……と思っていた。
二人が出ていき、ミドリちゃんは真二郎のひざ枕でぐっすり眠り込んでいた。
真二郎はすやすやと寝息をたてるミドリちゃんの髪を撫でながら、
「隼斗、あいつなぁ」
と話し始めた。
「今回マジらしいぞ」
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