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「マジ?礼央が」
「うん」
「……似つかわしくない言葉だな、礼央には」
「まったくだよ。でも、ぴーんと来たんだってさ。強引なとこはあいつらしい。詩織ちゃんも、まんざらでもなさそうだしね……」
「ふ~~ん」
ああ、かわいいな~、このコ。
真二郎は彼女を撫でる手を止めない。
「真二郎って……ちっちゃいコが好きなの?」
「そういうわけじゃないけど……。うん、まあ、ちょっと、ある意味フェチかもしれない」
「その子のこと気に入ってるんだね」
「そういうわけじゃない」
「……でも……」
「この子は恋愛対象にならないよ」
「どうして?」
「似過ぎてる」
「……そうか。たしかに」
真二郎の彼女には、三度会ったことがあった。
言われてみれば、よく似てる。
しばらく無言が続いた後に真二郎の顔を覗きこむと、
静かに寝息を立てていた。
俺は、礼央と詩織ちゃんの分だけを残し、その他のグラスや皿、菓子の袋等を片付けて、
静かに自分の部屋へ戻った。
あの子のでっかい喘ぎ声なんて、死んでも聞きたくねぇな。
シャワーを浴びるとすぐに音楽をかけて、ヘッドフォンをした。
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