無念のホワイトデー

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「遠くに行った方が、より伸び伸びできんだろー?」 「……意味がわかんねぇ」 真二郎は首を傾げた。 半分旅行気分なんだな……と俺は思った。 礼央はほんとに、自由な奴だ。 そんなわけで、そのまま合い鍵を持っていた俺は、礼央の許可を得てから彼女を奴の部屋に入れた。 合い鍵なんてなければ、俺の部屋に……。 そういう訳にもいかなかった。 バイトが入っていたのだ。 真二郎に代わってくれと頼まれていた。あいつは昨日から明日まで、青森に帰っている。 休むわけにはいかない。 すぐに出かけなくてはいけなかった。 部屋に荷物を置いてすぐ、バイト先へ向かった。 あのもどかしい夜。 無念のホワイトデー。
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