エアメール

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そんな俺を、まるでどこかで見ているかのように、 舞子からエアメールが届く。月に一度か二度。 アボリジニをもっと知りたいから、と舞子は高校を卒業するとすぐにオーストラリアへ旅立った。 あいつの自由人レベルはある意味礼央より上かもしれない。 舞子とは、 幼稚園からの幼なじみで、中学二年の時からちゃんと付き合い始めた。 中学時代は同じ剣道部で汗を流した仲だ。しかし高校へ入ると、舞子はすっぱり剣道をやめた。 突然「絵を描きたい」と言い出して美術部へ入ったのだった。 期待されていたのに……。 部活では会えなくなってしまったが、高校ではクラスが三年間同じだったため、舞子とは中学からの六年間、毎日毎日会っていた。 それなのに今は年に一度会うか会わないかの 超・遠距離だ。 こんなの、付き合ってんだかなんだかわかんねぇ~などと俺の気持ちがブレ始めると、 「こらぁ~、隼斗。マイのこと忘れてないか~!」
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