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俺はいったい何を守りたいんだ……?
今、腕に抱いている彼女か?
遠く離れた、舞子か?
礼央との友情か!?
違う。どれも違う。
結局は、俺だ。
俺は自分自身を守りたいだけなんだ。
みんなにいい顔して、保身しているだけだ。
胸の中で眠る彼女の髪を撫でながら、そのことに気付いた俺は、自分自身にがっかりしていた。
ごめんな……はっきり言えなくて……。
こんな情けない男で……。
せっかく、頼って来てくれたのに。何もしてあげられないな……。
せめて
せめて今は
眠らせてあげよう。
こんなに穏やかな顔してるんだ。
いい夢見てるに違いない。
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