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「千夏は岸本さんに、ぞっこんみたい」
いらない情報ありがとう。
しかし、ぞっこんって……古いなぁ……。
千夏の隣を見ると、ベタベタされた礼央がまんざら嫌そうでもない顔で相手をしている。
あいつ、ほんっと誰でもいいんだな。
呆れるのを通り越して、だんだんめんどくさくて無関心になってくる。
礼央の周りの奴らが、あいつを放置してる理由が、最近はなんとなくわかってきた。
「さん、藤谷さん!私の話聞いてます?」
「うん?あっ、いや……なんだっけ??」
「もうっ出身どこですかって聞いたんですよ。私は福井なの」
プーッと頬を膨らませている。
特に可愛くもないな。
「ああ、そう」
それだけ返事して酒を飲み続けた。
もうっ!!
と、プリプリしながらも、国分薫は俺の隣から離れようとしない。
やがて真二郎がやってきた。
「はいはい、席替えタイムだよ~」
良かった。
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