火種(巻き髪二人組)

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席替えしたことによって、千夏は相変わらず礼央にベッタリ、薫は真二郎にベッタリになった。 やっと解放された……ゆっくり飲める。 って、これじゃダメなんだろうけどな、新歓コンパって。俺達がホスト役だから。 だけど……めんどくさい。 俺、代役だし。 ていうか、そういう意味では俺に晃の代役なんて到底つとまらないし。 隣の席に座る千夏が、礼央の一気コールに乗せられてガンガン飲んでる姿を横目に、 俺はひとり静かに飲み続けた。 そして1次会が終了。 案の定、ふらふらで立てなくなっている千夏が、「にじかい~」と訴えている。礼央は彼女を軽々とおんぶしながら、 「よし、二次会行くぞ~」 と、仕切っている。 時折、 「お、ちなっちゃん、意外におっぱいでかい!」 などとふざけたことを言って、周囲の笑いを誘っている。 いらいらしてたまらない俺は心の中で礼央をボコボコにしている。
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