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皆が二次会へ向かう中、俺はこっそりと真二郎に耳打ちをした。
「俺、二次会は、パス……」
「ええーっ。藤谷さん帰っちゃうんですか!?」
うおっ。耳打ちを聞き耳立ててる奴がいた。
「え~薫藤谷さんの歌、聴きたい~!二次会行きましょうよ~」
と、薫に腕を引っ張られ、真二郎には
「そうだよ。来いよ」
と言われたが、なんとか腕を振り払い、逃げて来た。
カラオケは、行くこともあるが基本苦手なんだ……。
千夏と薫。
この二人が、のちに礼央と詩織ちゃんとの間に起こる出来事の
ちょっとした火種になるのだということを、この時の俺はまだ知る由もなかった。
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