涙の雫

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「あ、やっべぇー。もう時間だぁ」 俺はその時まで、彼女が来るということを知らずにいた。 「隼斗、わりぃけどお前暇そうだから、行ってくれないか」 パチンコ屋で、フィーバーしまくっている礼央と晃の後ろをウロウロしていた俺は、立ち止まった。 「どこへ?」 「詩織が来んだよ、今日。待ち合わせの時間に遅れちまう!!」 「場所は?時間は?」 なに~~! 「お前あと5分しかねーじゃん!それに、あの店まで、走っても15分はかかるぞ」 「だから、謝っといてくれよ。どうしても手が離せないからって」 パチンコの手ぐらい離せよ!! 「こんなはずじゃなかったんだけどな~俺今日千円しか使ってないのに」 「礼央、今日五万は行ってるな」 横目でそう言う晃もなかなかの箱の数だ。 「わかった。行くよ。そのかわり頼みがある」 「頼み?なんだよ」
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