涙の雫

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こんなふうに、肩を並べて歩けるだなんて。 礼央に遠慮しなくていいなんて。 嬉しくて、つい顔がほころびそうになる。 隣で、舞子よりも小さな彼女は、まるで少女のようにかわいらしい。 何かもじもじしているようなしぐさが、いとおしい。 「あの……隼斗くん、この前、ゴメンね……」 ……ゴメンって、キスのこと……? 「えっ?ああ……うん、いいよ」 「あの……重かったでしょ?」 なんだ、そっちか……。 やっぱり寝ぼけてたんだな……。 「詩織ちゃん」 「ハイ?」 「顔、赤いよ」 その愛くるしい鼻を、人差し指でチョンッと弾くと、 彼女は 「キャッ」 と小さく跳びはねた。 まるで喜んでるみたいだ。 気のせいだとは思いたくない。
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