隣人・礼央

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礼央には言えないが、このアパートは伯父の知人の持ち物で、家賃を格安にしてもらっている。 無駄遣いは極力控えたかった。 無駄なサークルには入らない。そんな時間あるなら勉強かバイトをしたいと思う。 ただ、彼等がやっているサッカーチームには混ざることにした。たまに他校と試合をするらしい。運動不足の解消にちょうどいいかなと思った。 「隼斗はさ~、彼女いんの?」 ほら、このチビもう呼び捨てだ。 「うん、いるよ」 他二人は酒を飲みながら麻雀やりつつ聞き耳を立てている。 「マジ!?いいないいなー!今度紹介しろよ」 「あー。でも今海外にいるから」 「海外?」 「オーストラリアに留学中」 「オ……ふ~ん。淋しいな」 ククッと礼央が笑った。 「いいじゃねぇか。遊び放題遊べて。うらやましいよ」
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