隣人・礼央

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「礼央~。隼斗はそんな奴じゃないと思うぞ~失礼だ」 ……そうだよ。 真二郎の言葉に、俺は心の中で頷いた。 「真二郎はね、青森なんだけど地元に彼女がいるんだよ。礼央は彼女を作らない。俺は違う。彼女欲しいんだけど出来ないんだぁぁ」 三者三様だな。俺はこの時、礼央とはきっと気が合わないなって、なんとなく感じた。 「礼央は女何人いるの?」 俺は奴に聞いた。 「へ?」 と、礼央は目を丸くしてこちらを見た。 「何人いるって……俺、彼女はいないよ」 「でも女の出入り激しいだろ。この部屋。聞こえてくるよ、しょっちゅう……」 「えーーっ!!」 俺の話を遮るその大きな礼央の声に、真二郎は顔をしかめて耳を塞いだ。 「お前そんなでっかい声出すなよ、響くぞ」 「いや、俺、両隣ともすんげー静かで、物音ひとつしないから、てっきり防音装置でもついてんのかと思ってた!!」
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