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「そうそうその通り。まー原因はアレだな、紅茶。」
「コウチャ?」
「お前らアライチのとこから来たんだろ?
それに、その前は……モトコ婆んとこか。
王子お前ルッカに噛まれたろ。」
ああ、そういえば噛まれたような気がする……。
「ルッカに噛まれて24時間以内にアライチの煎れた紅茶を飲むと、
なんかこうスゴイ反応が起きて『やったったでウッヒャッヒャ病』……略して『ウヒャ病』になるんだ。」
なんだそりゃ。
「まあ発症するのは人間だけだし、ルッカが噛むこと自体珍しい。
お前一体何やらかしたんだ?」
「~~~。」
いや、それは……。と言おうとしたら無理だった。
ちょっと悲しい。
「まーいいや。
これそんなに危ない病気でもないし。
1週間喋らなかったら自然に治るよ。
……えー、ちなみにこの病気を命名したのはアライチだしな。おれじゃねーぞ。」
そう言ってユースケは机の上の本をパラパラとめくりはじめた。
「1週間かぁ……。
うーん、なにか薬とかはないの?」
姫の質問に、本から目を離さずにユースケは答える。
「作ればあるけどあいにく材料がねーなー。」
「何?材料って。」
「あーそれは……」
と、ユースケが言おうとしたところで、突然診療所のドアが勢いよく開いた。
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