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「クワーー!!!」
扉を開いて現れたのは、真っ白な羽を持った大きな鳥だった。
僕の腰の位置ぐらいの大きさのその鳥は、背中に赤十字のマークをいれた鞍をつけており、その鞍で後ろのソリを引っ張っている。
「あーおかえり、キュー。今度は誰連れて来たんだ?」
と、診療所のなかに入ってくる鳥にユースケが話しかける。
『キュー』と呼ばれた鳥は、ユースケに答えるようにクワーっと鳴いた。
「ふむふむ、……ハァ、またミントか……。
まーいいや。
王子、こいつは救急鳥のキューだ。お前をここまで運んだのはコイツだぞー。」
あ、そうなんだ。……こんな小さな体で、大変だったろうに。
僕はキューにお礼のつもりで頭をペコリと下げたんだけど、気のせいかな?
キューがやたらと『してやったり』顔なんだけど。
こういうの、ドヤ顔っていうのかな?
そしてキューに続いて中に入ってきたソリの中には、小さな小人が入っていた。
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