1章――落ちこぼれの冒険者

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リック・B・クラーク。この少年は父親に憧れて冒険者になった。 父親はとても凶暴な魔族に殺された。とリックは話で聞いただけだ。 リックの中で父親は一番強かった。父親に敵う魔族なんていないと思っていた。 だから、父親が死んだなんてことは到底信じられることじゃなかった。今より更に幼かったリックは父親が死んだと言う事実を信じようとはしなかった。 理由のひとつとして死体が見つからなかったと言うことも有るのだが、リックは父親が生きていると今でも信じている。 黒い鎧はそんな父親がいなくなる直前にリックにプレゼントした物だった。 「この鎧が似合う男になれ」 それが父親の最期の言葉だった。
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