危機到来

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僕の1日は父さんから貰った漆黒の鎧を身につけることから始まる。 でも、僕にはその鎧は重すぎて、まだうまく歩けない。それでもこの鎧を身につけるだけで強くなれる気がするから毎日身につけるんだ。 僕のいるリン=クリスは至って平和で、冒険者の僕にとっては毎日退屈だ。 とは言っても僕は魔族を倒したことがない。まったくどうしたらあんなに怖い者と戦えるかがわからない。 目の前で見たことがあったけど怖くて足が震えてどうしようもなかった。 やっぱり父さんはすごい人なんだ、ってつくづく思う。 僕にはとてもできないや、なんて考えている間に時間が過ぎていて、あわててお世話になっている宿屋をでる。 宿屋の入り口を思いっきり開けて外に飛び出す。そんな俺に気付いた宿屋のおっちゃんが「気を付けて行ってこいよー」って言っているのを背で聞きながらまた、いつも通りの1日が始まった。
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