恋の本番

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
君と見た桜。君と過ごした浜辺。君と見た紅葉。君と滑った雪。 すべてに君がいた。君が…。 あれからどのくらい経ったのだろう。振り返ると君が「待って」って顔で、僕を見てるような気がするよ…。 あの頃、僕は歩くのが早かったかなぁ?いつも少し遅れて歩く君に、僕は冷たかっただろうか。 本当は肩をならべて、手を繋いで、君のペースで歩きたかったんだ。 今ならできると思えるのに、なぜ、あの時にできなかったんだろう。 今さら思い返しても遅いのはわかってる。いつでも、そうだ。こうしてあげなきゃ、わかってあげなきゃ、こんなことは言っちゃいけない。わかっているのに、いざとなるとできない。いざとなると思っていないことまで口に出してしまう。君との一瞬、一瞬は一度きり、リハーサルなんてない、一発OKなんてできないのに…。 僕は、あの時より、少しは成長できたかなぁ。合わすことができるようになったかなぁ。優しくなれているかなぁ。 僕は君のおかげで、いろんなことに気づけたよ。 ただ、ほんとは、もっと一緒に歩いていたかったんだ。君に届かないけど、「ありがとう。君に出会えて良かった。」 恋の本番リスタート。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!