プロローグ

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ところで、生徒会長といえばどんな人間を思い描くだろうか? 俺はだな……眼鏡をかけていて切れ長な鋭い目をした容姿を思い浮かべる。性格は勿論ドSな奴だ。ついでにお金持ちか又は理事長の息子か。 所謂、王道の中の王道って感じの奴。 勿論何処の学校でもそんな生徒会長がいるわけではないのだが少なからず期待はしてた。 入学式であっさりと打ち崩されはしたが。 『次は生徒代表からの歓迎の挨拶です』 そんなアナウンスが体育館に響き、眠気も吹っ飛び、生徒代表の紹介を聞き逃すまいとして耳を澄まして続きを待った。 『それでは生徒会長は壇上にあがって下さい』 はい、と物腰がやわらかく利口そうな声が前方から聞こえてきて、一人の人間がステージ上へと現れた。 「新入生の皆さんご入学おめでとうございます。本日は諸事情により会長は欠席しておりますので代理として副会長の私がお祝いの言葉を述べさせて頂きたく存じます。」 見事なまでのマニュアル通りな素晴らしく堅苦しい歓迎の言葉に、思わず息が詰まってしまった。 いや、ホントーに。 それにしても会長いないのか…なんかガッカリ。 だったら普通に会いに行けばいいじゃないかと思うのが普通だと思う。けどウチは別に金持ちのための学校という訳でもないのに学年毎に棟が異なるという無駄に広い構造になっているため、休み時間に他学年のクラスに行くのは結構難しいのだ。 流石に食堂まで学年で分かれてはいないけれども、これがまたおそろしく広い。 おまけに第2食堂なるものまで存在する始末だ。 探し出す間に昼休みが終わってしまう。 そもそも昼食をとりに食堂に来ているとも限らないし。 日常の生活の中で会いに行くことが出来ないとなると…そう、公の年中行事しかないのだ。 え?どうしてそんなに生徒会長に固執するのかって?そんなの学校生活が潤うからに決まってる。 生徒会長あるところにラブロマンス(表現古い?)あり。 ってこと。あと目の保養もかねて、な。 それでも、見てみたいという程度の興味だったのに、ここまで阻まれると絶対に生徒会長とお近づきになってやる、と思ってしまうのは何の性か。 人間、障害があればあるほど更に執着してしまうものらしい。
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