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「チェリー?」 「暁ちゃんは彼女とか居なかったの?」 「え?」 「居たよね?」 「どっちだと思う?」 「え?」 ちえりはまだ暁に背中を向けたままだったので振り向こうとしたが、暁が抱き締める方が早かった。 「ちえりはこんな可愛いのに居ないとかビックリだけど?」 「べ、別に私可愛くないよ?」 「ちえりは可愛いよ? 俺はずっと可愛いって思ってたから」 「あ、暁ちゃん… 話がズレたよね? わざと?」 「だめ?」 「…ダメ」 「ふぅん? じゃあ、ちえりには本当の事話すからそれならいい?」 「う、うん?」 ちえりが戸惑い気味に頷くと、暁はフッと微笑みちえりの耳元でこんな発言をする。 「ちえり、食べていいかな?」 「は?」 「まあ、これは冗談として…」 「??」 「ちえり?」 「ん? どうしたの、暁ちゃん?」 「やっぱりこっち向いてくれない?」 「あ、うん?」 ちえりは暁の方へと振り返ると、暁はフッと微笑み真剣な顔になった。 「暁ちゃん?」 「俺はちえり一筋だよ?」 「へ?」 「ちえりが初恋で、今も好きだ」 「…?!」 「ちえりは好きな奴居る?」 「…え、えっと」 「居ないなら、別に嬉しいけどな」 「暁ちゃんは本当に私を好きなの?」 「それ疑ってんだ?」 「疑ってるというか、ビックリっていう奴でして?」 「フッ 何でそんな感じの話し方?」 「だ、だって… 久しぶりに再会して告白なんてなんかのワンシーンみたいじゃない?」 「ふふっ ちえり、ドラマとか見すぎ」 「だ、だって…」 「ちえり、それよりさ? メール交換とかしない?」 「え?」 「嫌?」 「ううん? 暁ちゃんがしたいならいいよ?」 「なら、赤外線で交換な!」 「うん?」 ちえりは携帯をポケットから取り出すと、暁とメールと番号交換をした。
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