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「あ、暁ちゃん! 何でそんなに迫るの?」 「ちえりに意地悪するからに決まってんだろ」 「えっ?! 意地悪って、髪引っ張ったり顔引っ張ったりって事?」 「ぷっ! そんな幼稚な意地悪するかよ」 暁は思い出したのか少しだけニヤリと笑うと、ちえりに顔を近づけた。 「暁ちゃん?」 「ちえりに意地悪しようと思ったが… やっぱりイタズラにするか」 「えっ‥ イタズラって、一体何をするの?」 「ちえり」 「ん?」 ちえりが少し顔を上に上げると、暁は両手で頬に触れていた。 「肌がスベスベだな」 「う、うん? ちゃんとケアしてるから」 「ちえりも随分と変わったな? かなり可愛い」 「えっ… 可愛くないって昔は言ってたよね?」 「昔は昔。 今は、ちえりが可愛いって思うよ」 「そ、そうなんだ? 暁ちゃんも成長したんだね!」 「当たり前だろ? 俺が未だに小さかったら可笑しいだろ」 「ふふっ 確かに可笑しいかも」 「あーもうダメだ! 我慢できないかも」 「我慢って?」 「ちえり綺麗になりすぎ! 普通に誘惑したい」 「ゆ、誘惑?!」 ちえりはかなり驚いたのか、目をパチクリさせながら暁を見上げた。 「ちえり、キスしたことある?」 「…な、ないよ?」 「ふぅん? じゃあ、まだファーストは奪われてないんだな」 「…だ、だったら何?」 「ちえりの初めては俺が戴く」 「へ?」 ちえりが間の抜けた顔で驚いていると、暁はフッと微笑み顔を近づけてくる。 「えっと、何?!」 「キスしていい?」 「だ、駄目」 「ふぅん? じゃあ、勝手に戴く」 「ち、ちょっと?!」 ちえりは段々接近してくる暁を交わす為に後退りをしていたが、壁にぶち当たり逃げ場がなくなる。 「ちえり」 「…?!!」 ちえりは既に逃げ場がないと思いギュッと目を閉じたがいつまで立っても何も起きない為、目を開ける。
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