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夜の栄はとても明るい。通りに設置されている街灯、娯楽施設等の建物がライトアップされ、空に見えるはずの星は、街の明かりに消され残ったのは闇のみ。
が、明るいのは通りだけで、路地裏はポツリポツリと距離を置いて設置された小さな街灯が、道をぼんやりと照らされている。
そんな薄暗い世界で、二人の男達が数人の制服を来た男達と喧嘩をしていた。
坊主頭で耳にピアスをつけている、かなり体の大きな男は、鉄パイプで相手の顔面を叩きまくっていた。
一方、金髪でロン毛、身長はせいぜい170センチの男は、ボクシングの構えをして闘っている。
6人相手に10分とかからず、二人はあっさり倒してしまった。
「弱すぎるだろ。前の奴の方が、まだマシだがん」
巨躯の持ち主が、血がべっとりついた鉄パイプを投げ捨てて言った。
「はぁ?アホか。こいつら中坊だがん」
金髪の男は当然のように言った。
そして、ケイタイを取り出すと、電話をし始めた。
「………おう。終わった。楽勝だから。相手中坊だぜ?………うん。はいはい。わかった」
金髪の男は電話を切った。
「給料は口座に振り込んでおくってよ」
「あ?いくらだっけ?」巨躯の持ち主は後頭部をガリガリボリボリかきむしった。
「さっき言ったばっかじゃん。95万だよ」
「じゃあよ、給料入ったら、また……何だっけ?ほら、あれ…クラブ…何だっけ」
「………。ランブー?」
「あ。そう。クラブランブーだ。そこ行こうぜ」
「え~。あそこでサバいてるモン、弱いがん」
「いいがん。行こうぜ。可愛い子けっこーおるし」
そんな会話をしながら、二人はその場を去った。
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