対面

2/16
前へ
/456ページ
次へ
夜の栄はとても明るい。通りに設置されている街灯、娯楽施設等の建物がライトアップされ、空に見えるはずの星は、街の明かりに消され残ったのは闇のみ。 が、明るいのは通りだけで、路地裏はポツリポツリと距離を置いて設置された小さな街灯が、道をぼんやりと照らされている。 そんな薄暗い世界で、二人の男達が数人の制服を来た男達と喧嘩をしていた。 坊主頭で耳にピアスをつけている、かなり体の大きな男は、鉄パイプで相手の顔面を叩きまくっていた。 一方、金髪でロン毛、身長はせいぜい170センチの男は、ボクシングの構えをして闘っている。 6人相手に10分とかからず、二人はあっさり倒してしまった。 「弱すぎるだろ。前の奴の方が、まだマシだがん」 巨躯の持ち主が、血がべっとりついた鉄パイプを投げ捨てて言った。 「はぁ?アホか。こいつら中坊だがん」 金髪の男は当然のように言った。 そして、ケイタイを取り出すと、電話をし始めた。 「………おう。終わった。楽勝だから。相手中坊だぜ?………うん。はいはい。わかった」 金髪の男は電話を切った。 「給料は口座に振り込んでおくってよ」 「あ?いくらだっけ?」巨躯の持ち主は後頭部をガリガリボリボリかきむしった。 「さっき言ったばっかじゃん。95万だよ」 「じゃあよ、給料入ったら、また……何だっけ?ほら、あれ…クラブ…何だっけ」 「………。ランブー?」 「あ。そう。クラブランブーだ。そこ行こうぜ」 「え~。あそこでサバいてるモン、弱いがん」 「いいがん。行こうぜ。可愛い子けっこーおるし」 そんな会話をしながら、二人はその場を去った。
/456ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1205人が本棚に入れています
本棚に追加