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武瑠side
『おいヅラ』
…いや、これは語尾が方言だとか、何かのキャラの真似とかではなく。
「…っ!?」
自分のことかとハッとして俺のところに走ってくるこいつ、転校生に対する呼び掛けのセリフだ。
「おっおいっ、お前…っ」
『うっせぇ。それは後だ。』
わざわざ教室に出向いてやったんだ。ご丁寧に答えてやる筋合いはない。
この前蓮にキスした恨みもこめて、乱暴に転校生の腕を掴んで席に座らせた。
「おっ、お前…」
『てめぇは"お前"としか喋れねぇのか、『お前なんて言っちゃいけないんだぞ!』って名言はどうしたんだ、あ?』
「えっ…ぇえ?」
俺はこの前危機を感じた。
蓮にフラグがたちそうである、と。
そしてその場合こいつは攻めだ。
総受けのはずか攻め要員だ。
…だがしかし!
かっこいい腐男子様は閃いた。
こいつを同士にして無理矢理受けにしてやると。
…あー、言葉が足りなかったな。
同士とは俺の同士、つまりは腐男子だ。
今はやりの腐男子受けにしてやるってこと。
腐腐腐な知識を突っ込むために俺はこいつと仲良くなる。周りから見れば
"どうして武瑠様があんなやつと!?"
ってなって、いろんなやつから興味を持たれる。
気付いたときにはアッーラやだ、掘られてる!
…って流れだ。
あ?名案じゃねぇかよ。
とにかく、だ。
俺はそのためにこいつに会いに来たんだ。
別に、蓮にキスしたことを除けば…それなりに良さそうなやつには見えたしな。
っておい!そこで俺に変なフラグ立てんじゃねぇよ!
俺は蓮が大好きなんだかんな!
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