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外から聞こえてくる雀のさえずりで目が覚める。
頭がすっきりしないので、しばらくぼーっとする。
ねみー、ちょーねみー。
そんな意識がはっきりとしていない僕に、容赦なく目覚まし時計が電子音を浴びせる。
……うるさいから止める。
「…………うるさ……」
……思わず声に出てしまった。
またきたよ……僕の1番嫌いな時間、6時30分……。
も、非常に眠い……。
頭が重い……。
こんな感じで、僕は毎朝、布団と言う名のユートピアから、わざわざ外へと這い出して行くのだ……。
……我ながらいい例えだと今思った。
「……ふぁあ~……ふう」
しゃーっという音をたててカーテンを開ける。
……今日は良い天気だ。
日光がぽかぽかと暖かいよ。
「……ふ、ふぇあ、はぁっ! ……ふう」
春先はまだ肌寒いな……。
くしゃみが出そうで出なかったし……。
この苦痛を皆に分けてあげたいくらいだ。
……それはともかく、寝汗を流さないと……。
「…………グゥ……」
……うん、眠い……。
寝て良いよね、おやす……。
~~~
軽くシャワーを浴びて、目を覚ました僕は居間へと向かう。
もちろん、朝食をとるためだ。
「おはよう……」
「おはよう、俊也」
そういえば自己紹介を忘れてた。
僕の名前は倉敷 俊也(くらしき としや)。
この春で高校2年生になった。
容姿? 容姿といったらどう説明するかな……。
中肉中背で、ごく普通の顔に寝ぼけ眼がオプションとしてついている。
誰に見せても長くはないという黒髪は、無造作に整っているというか、整えているつもり。
好物は柿の種の中に入っているバターピーナッツと、オニオンリングの衣。
自分でも変だとは思うが、好きなものはしょうがないじゃないか。
そんな僕に声をかけてきたのは、母さんである倉敷 美加子(くらしき みかこ)。
興味ないだろうから描写は割愛します。
「とりあえずいただきます」
「どうぞ」
ご飯、目玉焼き、納豆、漬物、味噌汁の日本人にはそれなりに定番の朝食。
ちなみに倉敷家は、皆和食好きだ。
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