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そして、決定的なことが起きる。
綾世京――小学二年生。実に七歳の時だ。
小学生になり、友達がたくさん出来た。
京の家は裕福で、遊具もたくさんあるので、必然と友人達は綾世家で遊んだ。
「京ちゃんの家って大きいねー。すごーい」
京は思った――何が?
「おもちゃも沢山あるし。羨ましいなー」
京は思った――何が?
「これ高いおかしだよね。これがおやつなんていいなぁ」
京は思った――何が?
京は思った――何がすごくて何がうらやましくて何がいいの?
こんなの……別に何でもないのに、と。
その羨望と賞賛の声は日に日に増えていく。
理解できない言葉が溜まり、京は悩みの果てにうんざりしてきた。
そして、決壊した。
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