第一章 【新天地。そして窮地】

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 一向に止まない雨。それどころか雨は勢いを増し、さらには風もかなり出てきた。  「マズイのう……」  古龍観測者がポツリと呟く。確かにこのままではマズイだろう。  かといってこの天候は自然の摂理。人間が抗えるものではとうていない。  やがて天候は雷雨へと姿を変える。雷は轟き飛行船は風に殴られる。  すでに舵は制御しきれるものではなかった。  ふ、と雷雲の中で白く光るものが見えた。  「龍だ……」  信じられないことに雷雲の中を龍が舞っていた。  空の王と呼ばれるリオレウスでさえも届かない上空。  確かに俺はそこで龍を見た。 「あー……もしかして大ピンチ?」 「今さら何を言っとるんじゃ!何が起こるか分からん。しっかり掴まっとれ!」  言われた通りにしっかりと飛行船に掴まる。目は白い龍から外さなかった。
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