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「汚い車でごめんなー。
一応片付けたから、服が汚れたりはしないと思うけど」
そう言ってタイシが私たちの荷物を車に載せていく。
人見知り気味にタイシの後ろでオロオロしているマユミをそのままに、私はくるっとタイシの車のまわりを一周した。
ケッパコの後ろには、大きなモーター付きの草刈り機や、農作業用と思われるカッパみたいな上下の服、土にまみれた雨靴に、ロープだとか何だかよくわかんないものが積まれていた。
「今日も畑行ったの?」
私が聞くと、タイシは荷物を積み終わってこちらを見た。
「あー、今日は、うん、そうだな、朝畑行って何だかんだイカワ送ってくって切り上げたし、あまり作業はできなかったな」
「そーなんだー」
ふむ、まあこの先もとにかく進まなきゃですからね。
「タイシー、じゃあ行こうかー?」
タイシは笑って運転席に乗った。
私もそのまま助手席に乗ろうとした。
顔を上げたら、マユミが思いっきりどーしよー!って顔をして立っていた。
「マユミ、大丈夫だよ。
あとはマユミの高校の時の先生、旅行行ってる間だけ車貸してくれるんやんか!ありがたく使わせてもらおーよー!」
マユミが笑ったのを確認して、私はそのまま助手席に乗った。
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