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その人を見る度衝動に突き動かされそうになる。
あまりにも無防備な無邪気な色気を醸しているからだ。
全体的にぼやけてしまいそうな色素の薄い外見。
長身痩躯ではあるが肉付きは悪くない。
襟元から覗く鎖骨、短い髪故に剥き出しのうなじ、誘っているとしか思えない。
顔は幼さを残した格好いいというよりは可愛いという風貌。
さぞかし、最中はいい声で鳴いてくれるに違いない。いや、そうでなければならない。そして、涙を浮かべながらきっと止めて止めないでと懇願するのだろう。
「う、ふふ……ふふ……」
「お願いだから気持ち悪いからその含み笑い止めてくれないかなハツ」
私は双眼鏡を目に構えたままイケメンで有名な幼なじみを相手には見えないだろうがしかめ面して見やる。
「なにようなにようあーちゃん。イイ男ウォッチングして何が悪いのよう。堪えきれなかった笑みがこぼれちゃっただけじゃないよう」
「それが気持ち悪いから止めろって言ってるんだよ……
お前の変態行為は学校中で有名なんだよ。親しい間柄である俺の身も考えてくれよ……」
「えー?知るかーそんなことー。
でさ、あーちゃん」
「なんだよ」
「あの先輩襲ってきて。
ほらあの背の高い髪の毛の色が薄い受け受けしい人」
「厭だ」
「うわー。本能的拒否ですか」
「当たり前。
俺、お前の言うノンケ」
「あーちゃんのいけずう」
ぶーっと頬を膨らませてみる。あーちゃんのとっても冷たい様子がとっても攻め向きなのに。勿体無い。
いいもん。三次元でできないなら、二次元か脳内でさせるから。
これで暫くは妄想のネタが続くだろう。
さて、次のイイ男を探して妄想のマテリアルとしようか。
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