繋がれて、別たれて、そして、

2/2
前へ
/48ページ
次へ
二人同時に地面に倒れた。 腹から広がる血の池がお互いの手を絡めるように、 初夜の性交のように絡まり混ざり合った。 これ以上の繋がりはないと思った。 僕と貴女の隔たりはもうない。 だけど、隔たりが無くなるのと同時にこれ以上の拒絶もない。 パキパキと音を立てて血液が凝固していく。 確固たる貴女との繋がりの形と激しい拒絶の反応が僕へ……死を…… これが愛の同化の最終形態であるなら、なんて惨いことだろう。お互いが身も心も一生同化出来ないだなんて。同化の喜びを分かち合えたと同時に、その思いを共有する前に分かたれてしまうなんて。 貴女のことがこんなに愛しいのに。触ろうとしても、触れられない。喋ろうとしても、声を発することが出来ない。声を聞こうとしても、聞き取れない。貴女を感じたいのに、貴女の感覚を知りたいのに、貴女の感情を共有したいのに…… 何故だか、何かがブレる感じがした。 自分より、高い音波。 発する言葉は僕と、同じ。 ああ、遂に僕達は一緒になれたのだね。同化できたのだろうね。 だって、君の声がこんなにも近い。 だって、君の思いがこんなにも近い。 これこそが――
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加