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吸い込まれるようにブロックは、彼の後頭部を強打した。
ぐらり、と巨躯が揺れる。だが、倒れない。彼は振り返り、彼女を睨んだ。
灰色に濁った両の眼を大きく見開き、彼女を見つめる。
瞬間、彼女は死を覚悟した。きっと殺されてしまうと、いとも簡単に受け入れた。
そう思ってしまう眼力を、彼は有していた。
他の全てを圧倒し、圧迫し、圧殺する絶対強者。
鈍った彼女の本能にさえ、そのように刻み付ける存在だった。
そんな彼は次の瞬間、糸が切れたように倒れこんだ。
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