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ギルド最強の男。二つ名を―終焉の闇―。戦場に立てば、瞬く間に戦いを終わらせるその圧倒的なまでの強さにそう呼ばれている。
「何のようだ」
彼は今、加入しているギルド王の剣<エクスカリバー>にある、ギルドマスターの部屋に来ていた。
「ふぉっふぉっふぉっ。そう睨むでない。お主が多忙なのは良く知っておる。直ぐに依頼を受けにここを立つのだろう」
「ならば何故」
「王の剣最強の男よ。お主は明日で16歳になるのだろう?」
少し考える仕草をし、頷く。
「……そうだな」
「お主には大変活躍して貰った。だが、王の剣最強の男が教養を受けていない子供だと国の王に知られてな」
「なる程。要はそんな奴が最強であるば他国に奴の面子が保てない、と言うことだな」
「左様。お主の力は政治的にも関与出来る。そんな者が一つも教養を受けていないのは…と考えたのだろう」
「それで?」
「今受けている任務が終わり次第、学園に通って貰う。いいかの?出なければこのギルドを辞めさせなければならないのじゃ」
申し訳ないと頭を下げる。
「そうか…なら仕方ない」
「おぉ!分かってくれ…」 「今まで世話になった。俺はここを出て行く」
「……っほ?」
あまりの突拍子の無いことを言う最強の男に、ギルドマスターは呆けたような声を出す。
「さらばだ」
言うが早く、背を向けてその場を立ち去る最強の男。
「えっと………これでは物語進まないじゃないかのぉ」
たははとギルドマスターの頬に汗が流れた。
お わ り
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